いよいよ、本日から、分散登校ではありますが、教育活動が再開されます。

どれだけ、この瞬間を待ち望んでいたでしょうか。


休校期間中に、私が、強く意識していたテーマは、『魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ。』です。

この言葉は、中国の老子の言葉を訳したものですが、簡単に言うと、

「飢えている人に魚をとってあげれば、1日は食べれるけれど、魚のとり方を教えれば、一生食べることができる。」

ということです。

バスケットでいうと、スキルの課題や練習メニューを与えるのではなく、スキルを研究・追求することや、自分との向き合い方を教えて、自らを高めることのできる選手の育成です。


休校期間中は、オンラインで、繋がりを持っていましたが、毎日、指導できる訳でもなく、彼女たちが自ら考えて取り組まなければ、成長することができません。

そうなると、彼女たちが、自分を見つめ直して、自分の課題と向き合う力を養い、試行錯誤しながら、成長していける仕組みを作ることが必要になります。

課題を与えて、「この練習をやっておきなさい。」では、与えた課題以上のことは、やろうとはしないのが人間です。

例えば、本校は、休校期間中に、各教科から沢山の課題を出しています。
私も課題を分けて、郵送する作業を行いましたが、沢山の課題が出て、びっくりしています。

これだけの課題を、いったい、何人もの生徒たちが、与えられた課題以上の勉強をしているでしょうか?

多くの生徒は、与えられた課題を終えたら、あとは、自分のために時間に使っているか、自分の時間を大切にし過ぎて、提出期日ギリギリに、なんとか、課題を"こなす"といったところが現状ではないでしょうか。
(これは、悪くいっているのではなく、今までそういうケースが多かったという事実を書いているだけです。今回は、当てはまらないかもしれません。)

"こなす"というものは、与えられた作業をやり終えた終了です。

一方、研究・追求、自分と向き合うことに終わりはありません。
これは、どこまでも果てしなく続く作業となります。

私は、部活の選手たちには、自ら成長していける時間を過ごしてもらいたいと考えました。

そのために、様々な仕掛けを作りました。

ある部分では、強制力が働いているところはあったかもしれませんが、ノルマをこなす強制力ではなく、考えて、行動して、試行錯誤せざるを得ないものになっていたと思います。


今までも意識してきた部分ではありますが、この休校期間中は、大胆に、取り組んできました。

これも、私が常々意識していることですが、何か物事を進めるときは、『大胆に、細心の注意を払って行う』ということです。

矛盾しているように感じるかもしれませんが、やると決めたら、とことん、突き進む。同時に、問題点などを書き出して、決めたことを遂行していけるように、きめ細やかに準備をします。

大胆に行動するのは、勇気のいることです。

一方で、細心の注意を払って、きめ細やかに準備を行うのは、かなり、時間と手間が必要になります。



少し話が逸れましたが、選手が自らの力で成長する経験を積むことで、大きな自信になりますし、この新コロ期間で、学んだことが、長い人生において、心の支えになると思います。

インターハイは、なくなりましたが、それ以上に、お金では買えない、かけがえのない貴重な経験ができているのではないかと思っています。

実際に、私が毎日、指導していなくても、子どもたちの成長を実感していますし、きっと、子どもたちも自分の成長を感じていると思います。

これって、本当に素晴らしいことではないでしょうか。


この1年を終えたときに、「お前らは最高だ!」と、心から伝えたいと思っています。



まだまだ、気を抜くことはできませんが、コロナトンネルの出口まで、あと少し。

第2波、第3波が来るかもしれないと言われていますが、これまでのコロナの感染者数と死亡者数、更には、この数を年齢別に、確認をしたら、どう考えても、withコロナの段階に入って来ています。

これからは、コロナともどう向き合うかが大切になってきます。


この期間で、一回りもふた回りも成長した選手たちと、更に、良い時間を過ごしたいしたいと思います。