のみ込みの早い選手は、同じ過ちを繰り返すことが少ないように思います。

自分の中で、一度、経験した失敗を自分なりに整理して、改善したプレイを出そうとします。

一方、のみ込みに時間のかかる選手は、一度、経験した失敗を、同じパターンで失敗します。



何事も『結果』が出る前には、『行動』があり、行動の前には、『心構え』があります。

『心構え』→『行動』→『結果』となります。

簡単に言えば、『優勝という結果』→『正しい練習(行動)』→『日々の練習を頑張ることのできる考え方(心構え)』です。

逆に、『負けるという結果』→『集中していない練習』→『やる気がない』ということになります。

また、上手くいかないときは、『行動』もしくは、『心構え』を見つめ直して、原因を探り、改善して、自分のものになるまで反復することが大切です。



このパターンで考えれば、例えば、『1on1で抜けない。(結果)』という悩みがあるとすると、抜けない原因は何かを考える。

ボールのもらい方が良くないのか。ディフェンスを捉えることができていないのか。ボールの位置が良くないのか。縦に切るための体の使い方が身についていない、など、色々考えられます。(行動)

では、この行動を変えるために、何をしなければいけないのか。

ディフェンスを捉えることができていないのなら、いつディフェンスを見れたらいいのか、また、どこのディフェンスを見るのかなど、原因を探ることで答えは出てきます。

自分のディフェンスなのか。ヘルプディフェンスなのか。

自分のディフェンスであるならば、どのようなときに、上手く抜けないのかを考えて、どのようにすれば、改善できるのかまで考える。

改善策が見つかれば、あとは、イメージしながら反復するのみ。

この作業を繰り返し行うことで、自分の中で、どのようなときに、どのようなプレイを組み立てればいいのかというパターンが出来てきます。


この作業が面白い!


とことん、考えることで思考を深め、答えを出そうとすることで、問題を解決する能力を高めていきます。

そして、練習することで、新しいパターンを習得することができるようになります。(技術の習得)


『思考を深める』→『答えを導く』→『技術の習得』の流れを作れるかが大切です。


このとき、たまにいるのが、どのようにしていいのか分からないときに、分からないままにして先に進もうとしない選手です。

とことん、考えるということを怠る選手は、上手くなりません。



私は、仕事で、どうしても通したい企画があるとすると、まずは、企画書を作成して、提案します。

ここで、却下されたら、改善点を確認して、再度、企画書を改善して提出します。

そして、またまた、却下されたら、再度、改善点を確認して、再度、企画書を提出します。


多くの方は、2~3回ほど、却下されたら、「自分の出した企画が通らなかった・・・。」

と、諦めます。


以前、ある方が1回の企画で諦めていたときに、

「企画が通るまで、何度もやり直したら?」

と、アドバイスをすると、

「そこまで、時間を費やして、この企画が通らなかったら、どうするんですか?」

という答えが返ってきました。

私は、「企画が通るまでやり続ければ、その心配はないよ。」

と伝えましたが、その方は、結局、そこまでやりませんでした。


これは、バスケットで言えば、ドライブのスキルを身につけたいときに、1回、ドライブを守られたら、その後ドライブをしなくなる選手と同じです。

その発想で言えば、企画書が1回通らなかっただけで諦めることがおかしなこと。

バスケットは、何十回、何百回と繰り返し、練習することで新しい技術を身につけることができるようになります。



私は、どうしても通したい企画は、20回でも30回でも繰り返します。

本当に、周りがびっくりするくらい、しつこく、何度も何度も書き直します。


自分の経験で言えば、30回も書き直せば、まず、間違いなく、企画は通ります。本当に通ります。




ここで大切なことは、『考え抜くこと』と『しつこさ』です。

そこまで、どのように書けば企画書が通るのかを考え抜き、何が何でも企画を通すという、しつこさです。



バスケもこれと同じくらい、しつこく、『思考を深める』→『答えを導く』→『技術の習得』を行うことが大切です。


答えが出ないときは、答えが出るまでとことん考え抜きます。
ありとあらゆる方向で、答えを導きだそうとします。

そして、答えの出たスキルを今度は、『しつこく』反復練習によって身につけていきます。



考えることをやめるということは諦めているのと同じ。

技術が身につくまで反復しないのも諦めているのと同じ。



何事も、とことん考えて、とことんやり抜くことが大切ではないでしょうか。