昨日、KYOTORYの選手たちは京都に戻りました。

私は日本バスケットボール協会主催のU16-U18 強化育成コーチの会議に昨日と本日の2日間出席するため東京に一人で残っています。

気持ちとしては選手たちと一緒に練習に励みたいと思いますが、こればかりは仕方がありません。


今日のブログは長くなるぞー!!!

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それは「難しい状況」ではない
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「その状況が難しいか、そうでないかは、その人の通ってきた人生で決まる」


この2週間ほどはウインターカップに向けた準備と共に他にもいくつかのことを同時並行して取り組んできました。

その中には些細なこともあれば大きな決断をしなければいけないこともありました。

この間、色々な出来事がありましたが私は全ての状況で「難しい状況ではない」と判断しています。


「難しい状況ではない」と言ってウインターカップは初戦敗退となったので、こちらについては深く反省しています。


私が常々感じていることですが、その人が置かれた状況が難しいか、そうではないかの判断基準があると考えていて、それは、その人が過去にどれたけ困難な状況を乗り越えてきたかに尽きると思っています。


例えば、1人で地元から北海道に行ったことのない人は、1人で北海道まで行くのは「不安」が付きまといます。

それが、頻繁に旅行や出張などで外に出ている人からすると北海道に1人で行くことは「難しい状況ではない」でしょう。

私は、小学生 低学年の頃に初めて1人でバスに乗ったときは不安で不安で仕方がありませんでした。笑


これをもう少し大袈裟に言うと、命に関わるような状況を乗り越えてきた人からすると、言葉は乱暴になりますが、「死ななければそれ以外のことは大したことはない」と思えるようになるでしょう。

また、昔はすごく難しいと思えるような状況だったとしても、そのような状況を度々経験していると「昔は難しいと感じていたこと」が「今は難しくない」となります。


つまり、難しいと思えるような状況から目を背けずに何度も乗り越えていく中で、「難しい状況」が「普通」に変わる瞬間が訪れるようになるのです。


不思議なことに、「これは難しいな〜」と思っていることでも、「自分ならできる」と信じて多少強引にでもというか、できるまでめちゃくちゃ強引にやり切れば大抵のことはできるようになります。


この「できる」という成功体験を味わうと、次に困難な状況が訪れても再びチャレンジしようと思えるようになりますし、このようなことを繰り返していく中で新しいことにチャレンジすることが怖くなくなるというか、「失敗したらどうしよう?」とか、「できなかったらどうしよう?」という考えが脳裏をよぎらなくなります。

むしろ、「どうしたらできるようになるのか?!」ということに集中して、ひたすら、「できる」までやり続けることができるようになります。


昨日もある人と話をしていて「これって難しいことじゃないですか?」と言われましたが、「そうですか? 捉え方によっては、もしかしたら、難しい状況ではないかもしれませんね!」と話をしていました。

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自分たちで状況を難しくしている
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今、KYOTORYの選手たちを見ていると様々な局面で「難しい」と捉えてしまう選手を見かけます。

たまに、「これは難しい状況ではない」と伝え、「◯◯と◇◇をしたら問題がないだろ!」と話をしていますが勇気を持ってチャレンジすることに躊躇してしまっていることがあります。


そうなると逆に自分たちで状況を難しくしていることになります。


例えば、対戦チームに素晴らしいシューターがいて、その選手にシュートを打たせたくないと思って「シュートを消しにいきなさい」と伝えたとします。

この状況で起こりうるメリットは、シューターにシュートを与えないということで、デメリットは思い切ってシュートを消しにいくので逆にドライブで切られてしまうということになります。


これをもう少し詳しく解説すると、シューターのシュートを消すというのは、そのチームの「オフェンスのリズムを狂わせる」ということになります。


どの指導者も自チームの選手の強みを活かせるようにオフェンスを組み立てますので、そのような状況の中でシューターが機能しないという「オフェンスのリズムを狂わせる」戦いはゲームの勝敗に大きく影響します。


その状況下でシューターにアウトサイドシュートを打たせないで、ドライブに行かれることは本来のリズムではなくなりますので1ゲームでゲームを作るということを考えるとシューターからするとかなりのストレスを感じながらゲームを行うことになります。

しかし、「抜かれるかもしれない」という不安要素を払拭できずに中途半端に守ってシューターにアウトサイドシュートを打たれてしまうとただシュートを決められるだけでなく、一気に「ゲームの流れ」を持っていかれてしまうことにもなりかねません。

そうなると、本来なら入らないようなシュートまでが入ってしまい、俗に言う「手に負えない状況」が生まれてしまいます。


これが自分たちで状況を難しくしているということです。


12月半ばに行った練習試合や新チームが始まってからの練習試合でやるべきことに目を向けて徹底することを徹底したら目の前の状況が大きく変わるという経験をしました。


これは、「徹底」することで良いゲームができることを経験したり、対戦チームが徹底することを徹底した結果、ゲームが崩れてしまうという経験もです。


「徹底する」というのは、メリットとデメリットがあるというのは当然のことで、このデメリットもメリットを強く押し出せばデメリットではなります。


25日に行った練習試合の最終戦では相手チームが自分たちの強みを徹底したことで、KYOTORYの選手は"頭が真っ白になる"という状況が生まれました。

対戦チームはサイズのないチームでしたので、オールコートで脚を使って徹底的に当たってくるという作戦です。

これに見事にハマってしまい冷静さを失ってしまったこと、更にはそこで立ち直しにかからないということが追い討ちとなってゲームが一気に崩れてしまうという状況が生まれました。
(冷静さを失った選手には改善を求めました)

これがデメリットをかき消してしまうほどの「徹底」ということになります。


2022年は、自分たちで状況を難しくしている場面が多々ありましたが、これは、物事をどのように捉えて、どのように行動に移していくのか、また、それをどれくらい徹底するのかで状況はいくらでも変えることができると思っています。


このことを本当の意味で理解してもらうのに、「一年」もの歳月を費やしました。

これだけ長い間、改善することができなかったのは私の指導人生でも初めてですが、ようやくその長いトンネルの出口が見えてきたように思います。


しかし、現状では気を抜けば25日の最終試合のように、すぐに以前の状態に戻ってしまう状況ですので全く気の抜けない時期となっています。


今はこれからの一年を大きく左右する大切な時期だと言っても過言ではありません。


これから年末の最後の練習試合を終えるまでに、なんとか、一定の成果を得て新年を迎えられるようにしたいと考えています。